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絵本「追い出された亀」



 昔、海辺のある村で動物たちが生き甲斐のなんたるかについて話し合いました。
 たらふく食べて暖かく過ごすこと、すいすい飛び回って物見遊山すること、有名な歌手になること、主張はまちまちでした。



 亀は長生きが何よりだと言って、砂の中にもぐって眠りこけました。



 一年が経ち、眠りから覚めた亀はうって変わった村を見てひねくれたことを言いました。
 時が経つと家は古びて、いずれ崩れるだろう・・・
 買って苦労をすると嘲る亀にウサギが言いました。
 「木一本植えていないお前は死んだも同じだよ」
 恥をかいた亀はかっとなって砂の中にもぐりました。
 そしてこう考えました。
 「後で見よう、三百年ぐっすり眠った後で思い知らせるぞ」



 しかし、ウサギを始め動物たちは一生懸命働いて村を美しくつくりました。
 歳月が流れて山河は変わり、村の主人も何度も入れ替わりました。
 長く長く眠った亀は三百年後にやっと覚めました。



 亀は首を伸ばして素敵に変わった村を眺めました。
 亀を囲んだ小さい動物たちは初めて見る亀を怪訝に思い、亀のお爺さんて聞いたことがないと言いました。



 そして、狼の奴が遣わした回し者じゃないかと思い、早く大人たちに知らせることにしました。ウサギが鹿のお爺さんに駆けつけました。
 鹿のお爺さんが本当にこの村に暮らしたかと聞きました。
 亀は答えました。
 「そうだとも、わしは今年で三百五歳だぞ」
 鹿のお爺さんは、じゃ、ウサギ橋はどこかとまた聞きました。
 「かまをかけるな。この村にウサギ橋なんかあるはずがない」 



 「この村に三百年も生きたと言うのにそれも知らないのか、不審な奴だ、さっさと追い出せ!」
 びっくりした亀はあたふたと海辺へ逃げました。



 「あ、長生きして尊敬されるんじゃなかったんだ、無為に長生きしただけで、追い出されるのは当たり前さ」
 あれから亀は遠くから誰かが現れると首を引っ込めて水の中に隠れる癖ができたと言います。

 絵本「追い出された亀」はチュチェ101(2012)年に功労芸術家の称号を受けたチャン・ウンソプさんと息子の児童知能教育図書研究所所長である功労記者の称号を受けたチャン・デギルさんの合作によるものです。