/ ハイライト
朝鮮民主主義人民共和国外務省軍縮・平和研究所の広報
アメリカの新しいミサイル防衛システム構築の企みはグローバルな安全バランスを由々しく破壊する新たな「スターウォーズ」構想である。


 無謀な軍拡で自分の軍事的覇権を維持し、自主的な主権国を押しつぶそうとのアメリカの新政府の覇権主義の企みが発足初日からはっきりと表れている。
 先日、アメリカがいわゆるライバル国の増大する「戦略的脅威」から本土と同盟国の安全を保証するという看板のもと、ミサイル防衛システムをさらに拡大する構想を発表したのがその代表例である。
 アメリカの新たなミサイル防衛システムの計画は、上昇段階にある各種のミサイルを探知し迎撃できる次世代のミサイル防衛網と宇宙基盤ミサイル迎撃システムの開発と配備に拍車をかけ、同盟国との共謀・結託のもと、地域ミサイル防衛システムを一層強化しようとの侵略的目標を打ち出している。
 冷戦時代、アメリカが持ち出した危険千万な「スターウォーズ」計画の亡霊を呼ぶ新たなミサイル防衛システムの構想は、その実現の可能性如何を二の次にして、ライバル国の「脅威」に対応するとの口実のもとに軍備増強を正当化するところにその危険性がある。
 1980年代にアメリカは旧ソ連の核脅威に対応するという名のもとに、「戦略防衛構想(SDI)」を考案して、全世界を核軍備競争の坩堝に追い込み、2002年には「本土の安全」の美名のもとにABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約から一方的に脱退し、共和国を始め、自主的な主権国を標的にしたミサイル防衛システムの構築にやっきになった。
 その後もアメリカは、次世代迎撃ミサイルと地上配備型の中間段階迎撃ミサイルの開発に天文学的数字の資金を費やし、欧州とアジア太平洋地域に各種形のミサイル防衛システムを前進配備したのに次いで、それを統合運用しようとの野心を追求してきた。
 アメリカの現政府のミサイル防衛システムの近代化の企みもやはり、ライバル国の報復攻撃の懸念なしに相手に対する先制した核攻撃を安心して行える条件を完備し、人類共通の財産である宇宙スペースを戦場化、軍事化してグローバルな範囲でアメリカの軍事的覇権を実現しようというところにその真の目的がある。
 アメリカの現政府が核を持つライバル国からの攻撃の脅威を云々し、同盟国と地域ミサイル防衛システムを一層強化するだろうと云々した事は、アメリカのミサイル防衛システムの近代化が核大国が集中しているアジア太平洋地域で一層本格化する可能性を示唆している。
 日本を始め、同盟国と共に推進中の極超音速迎撃ミサイルの開発を加速化させ、韓国など複数の地域に高高度ミサイル防衛システムである「サード」のような先端軍事装備をより多く配備しようとのアメリカの策動がなお強まるであろうことは火を見るより明らかで、これは必ず地域諸国の安全上の懸念を刺激しかねない。
 より不確実化する世界的な安保環境はわれわれをして、日増しに増大するアメリカの軍事的覇権の企みに対応して国家の安全権と発展権を頼もしく守れる核抑止力を中枢とする自衛の国防力の絶え間ない発展を切実に求めている。
 朝鮮民主主義人民共和国はこれからも敵対勢力の増大する軍事的脅威に限界を知らない軍事力の強化で答え、強力な自衛力に頼って世界の平和を守り、より安定した地域安保環境を構築してゆくだろう。

 2025年2月2日
 ピョンヤン