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短編小説「3年、30年」(1)



 僕たち3人は建設中の講義室に座っていた。
 もちろん、まだ講義室だと定義づけられない状態の部屋だったし、僕たちが腰掛けているのも光沢のある椅子ではなく、ブロックなのである。
 30分頃前、赤の他人だった僕たち3人、除隊軍人二人と中学校の卒業生一人はこれから3年間、同じクラスで一緒に勉強する縁を結んだのだった。
 クラスには女子大生が22人で、男といえば僕たち3人だけだった。
 入学の登録が終わり、クラスのリストが発表された後、僕たち3人は妙な気持ちに駆られて正門を出た。

 ハン・チョルミョン:新築される校舎を見に行ったらどうでしょう?
 チュンミン:校舎を?
 ハン・チョルミョン:そう、そこで互いに自己紹介もしましょう。
 チュンミン:なぜ教員大学を志望したんですか。
 えー、これはほかの大学だったら要らぬ質問ですけど、僕たちには必要な質問でしてね。
 だってさ、教育省の文書には、「師範大学から教員大学に至るまで」とよく書かれるそうじゃないですか。順番で最後というわけで。それで、口の鋭い人たちは教員大学のことを「まで」大学とも呼ぶそうですね。
 ランキングや環境はともかく、教員大学には女子大生が大半ですし、また女性にもっともふさわしいと思われがちじゃないですか。それだけ、この大学に入学した男子大生はみなわけありそうでしてね。
 ハクソン:僕なんかはしようがなく来たんですけど、あなたたち除隊軍人の方々はどうして・・・。

 さっきから眼鏡を光らせながらなにか不安げに辺りをちらちら見回していた一番若い青年が待ってましたとばかりに聞き返した。

 ハン・チョルミョン:ハクソンって言ってたね。君は進んでここに入学したの?

 慣れない雰囲気に頬を赤らめたハクソンは眼鏡を正すと照れくさそうに笑った。

 ハクソン:違います。正直言って、中央大学を志望したんですけど、推薦で落ちました。ほかの科目はまあまあの成績だったんですが、スポーツがとても苦手なんで、それで、ここに。まあ一応、大学は大学ですからね。
 チョルミョン:案外簡単な理由ですな。

 僕はややフェミニンな印象を与えるハクソンの顔をじっと観察した。眼鏡のせいなのか、こよなく純真で善良な感じを与える彼の目からときたま、光のようなものが閃くのだった。鋭敏な頭脳が発散する知恵の光とも思われた。

 チュンミン:君はよく響く声だし、鉄棒にぶら下がって懸垂運動は少々できなくても、教員に似合いそうな風采だな。